ハードボイルド小説原作のドラマ「MOZU」。

世界観が深い、タバコ吸い過ぎ、など意見が色々出ていますが、
9話予告(長谷川博己)が口にした謎の言葉が注目されています。

オメラス」という架空の街の名前です。

「その町のどこかに、光の届かない固く閉ざされた地下室があった…」

この言葉ってどういう意味なのか調べてみると、
ジブリの映画やハーバード大学教授のベストセラーまで出てきました。
結構有名なお話のようです。

オメラスって何の事?をまとめてみます!

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オメラス」とは、「オメラスから歩み去る人々」というSF小説短編に出てくる理想の幸福な街の名前です。

作者は、「ゲド戦記」でジブリに映画化されたアメリカの作家、アーシュラ・K・ル=グウィン。「オメラスから歩み去る人々」は権威ある文学賞「ヒューゴー賞」を受賞した作品です。
短編集、「風の十二方位」 (ハヤカワ文庫 SF 399) の中に入っています。

日本ではあまりなじみが無いようですがアメリカでは有名な作品だったんですね。

 

「オメラスから歩み去る人々」のおおまかなあらすじ

オメラスは美しく豊かで、犯罪も国王も戦争も軍隊も無く、
芸術と文化が栄える理想の幸福の街である。

だが、オメラスではたくさんの人間にずっと続く幸福を実現するかわりに、
一人の無実の子供を生け贄として閉じ込めて不幸なままにしていた。
生け贄の子供を解放するとその瞬間にオメラスの幸せはなくなってしまう。

そのことをオメラスの人は8歳から12歳までの間に習って知っている。

初めはそれを習うとみんな悩んで苦しむが、だんだんとあきらめて
もう取り返しがつかないと考えるようになる。

しかし、とてもまれにオメラスから出て行く人がいる。
そういう人は一人きりで何があるかわからない外へ出て行く。
出て行った人が帰ってきた事は無い。

何のつもりでどこへ行くのか誰にも分からないが、
オメラスから出て行く人は自分たちの行く先を心得ているらしい。

 

この”出て行く人たち”が表題の「オメラスから歩み去る人々」です。
オメラスって、まるで悪魔と契約してできた様な幸せの街ですね。

わずか11ページくらいの短編なのですが、何か深い物をたとえ話ではっきりと
浮かび上がらせているお話です。

この短編は、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授のベストセラー、
これからの「正義」の話をしよう』の中でも出てきます。

より沢山の人がより多くの幸せを得る事の出来る道を善とするのが
実利主義、功利主義だがこういう限界も出てくる、という例として引用されているのです。

正義や真実についてよく考えるように訴えかける力のある作品だと思います。

 

MOZU」の中でも「最初の犠牲者は真実だ」、という台詞が出てきますが、
ドラマのテーマ、世界観にふさわしいお話ですね。

残念ながら「風の十二方位」は現在アマゾンでは在庫切れ状態です。
「MOZU」ファンが一気に注文してしまったのでしょうか。

ヒューゴー賞受賞作なら、ちょっと大きめの図書館には大体置いてあります。
読みたい方は図書館チェックがおすすめです!